公開: 2024年7月21日
更新: 2024年7月21日
18世紀の民主革命で、王政から民主制となり、共和国となったフランスでは、男性の国民を兵士として徴用する徴兵制を採用し、国民は、他国との戦争が始まると、歩兵として銃を持って戦わなければならないようにな利ました。フランス軍の兵士として、他国の軍隊と戦うためには、武器の取り扱い、火薬の知識、味方の兵士や上官との意思疎通、そして、集団行動の規範など、知っておかなければならないことが数多くあります。それらを理解するための予備知識は、さらに基礎的な教育で学んでおく必要があります。
封建時代であれば、騎士の階級に属している人々だけが理解していれば十分であったことも、近代の戦争では、ほとんどの国民も理解しておかなければならなくなりました。この社会の変化に対応するため、フランスでは、8年間の義務教育を全ての国民に課すこととしていました。これによって、男子には、軍に入った時に、最低限必要な知識を持っているようにするためでした。
明治政府も、このフランスの制度を真似て、日本でも国民皆兵制度を導入し、外国の軍隊と戦うことができるように備えるようにしました。この国民皆兵制度を維持するために、全ての国民を対象に導入したのが、学制に定められた義務教育制度でした。